観光する前に知っておきたいワット・ポー
バンコク3大寺院の一つ、ワット・ポー。観光の前に知っておきたいことを簡単にまとめました。
ワットポーは、バンコクのプラナコーン区、チャオプラヤー川の近くにあります。バンコクで最古の寺院で、バンコク3大寺院の一つです。正式にはワット・プラチェートゥポンウィモンマンカラーラーム・ラーチャウォーラマハーウィハーンといい、「菩提の寺」という意味です。チャクリー王朝の時代から、王家の菩提寺として発展してきました。敷地面積はおよそ8万平米で、本堂等のある北側と、庫裏のある南側とに分かれています。タイと中国の文化が混合した様式で、中国風に像があったり、仏塔に中国陶器が使われていたりと、随所に中国色に垣間見られます。また、タイ最古の市民大学でもあり、歴史や文学、医学、美術等の資料が収められていて、タイ古式医学の中心ともなっています。
このお寺は巨大な涅槃仏で有名です。高さ15m、全長46mの、金箔で覆われたこの涅槃仏は、ラマ3世の命で作られました。目と足の裏に真珠貝が施されており、足の裏には真珠貝の螺鈿細工で、仏教の世界観が描かれています。また、涅槃仏が安置された殿堂には108個の鉢が置かれていて、サタン硬貨を1枚ずつ入れることで108の煩悩を捨てることができるとされています。
涅槃仏で有名なワットポーですが、忘れてはならないのが本尊です。ラマ1世の遺骨が納められた本尊は、慈愛に満ちた荘厳な雰囲気で見る者の心を惹きつけます。タイでも指折りの美しさといわれており、国内からの参拝客が絶えません。
このお寺の敷地内にはワットポー伝統医学があります。ラマ3世による市民大学から発展したタイ古式医学の学校で、マッサージのポイントを示した人体図や、ルーシーダットンという東洋医学に基づくヨーガの像も残されています。ここで古式マッサージの技能を身につけた生徒には証明書が発行されますが、生徒の8割が外国人です。お寺の敷地内にはマッサージ場もあり、落ち着いた静かな雰囲気の中で受ける本物の古式マッサージは、心身ともに清らかになれそうです。
またルーシーダットンは古来より伝わる自己整体法で、日本でも最近知名度が上がってきました。ルーシーとは隠者とか仙人という意味で、ダッは「曲がったものを元通りにする」こと、トンは「自分」です。もともとは25ほどのポーズがありましたが、現在一般的に教えられているのは15ほどです。ワットポーでも教室があり、また毎朝マッサージ場の外でルーシーダットンアワーが開かれています。飛び入り参加が可能で、ルーシーダットンに参加したい盲を申し出ると、参拝時間前でもお寺に入れてもらえます。
ラマ1世がチャオプラヤー川の西岸にあるワット・サラシーナから移したもので台座にはラマ1世の遺骨が納められています。